72畳の図書室 読書感想②「最澄と空海」 経済学と宗教がリンク
「最澄と空海」 講談社選書メチエ
我が国の仏教の導入とその内容等に関する解説書でもある。
いくつか私の心に残る言葉をしるしてみよう。
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「空海は: 世界はマンドラという姿(相)をとり、かつ それは仏(如来)の身体だと考える。」
「最澄は; 「諸法実相」 つまり現象世界は真実ととらえる。」
「経(スートラ)」は釈迦が弟子に説いたもの。
「論(シャーストラ)」は後世の仏教思想家があらわしたもの。
{遣唐使制度の廃止(894年)のタイミングが日本仏教のあり方を規定}
「天台の教学によれば釈迦が悟った後に初めて説いた経典が華厳経である。」
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「華厳経は紀元2世紀頃成立。初期大乗経典。この経典のテーマは、世界の中ではあらゆるものがお互い関係しあっている・・・ ・・ 縁起の関係。網の目の一つを摘まむと、他の目も同時に持ち上がってくる。華厳経の説く縁起の世界。」
「「華厳経の説く縁起の世界」」こそ 経済学における産業連関分析(尊敬するノーベル経済学賞受賞者 故レオンティエフ博士)にも通じる論理でもある。
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仏教と経済学 根本の所で リンクしている。
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(参考)
空海はインド仏教の流れをくむ諸学派、すなわち「俱舎宗(くしゃしゆう)」(有部(うぶ))、「法相宗」(唯識派)、「三論宗」(中観派)や、中国で新しく育ってきた教学である天台や華厳などのそれぞれの立場を見、自からの体系の中に位置づけた。
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